バイクキャンプを始めてから約10年。
その中でも「GIVI(ジビ)防水ドラムバッグ60L」は、最も長く使い続けたお気に入りのバッグのひとつです。
エストレヤを購入してからしばらくは、軍払い下げのダッフルバッグをシートバッグ代わりに使っていました。
ただ、キャンプツーリング中に雨に降られることが増えたことで、防水性能の高いバッグが必要だと感じ、GIVIにアップデートしました。
それから約5年間、キャンプやロングツーリングで常にこのバッグを使い倒してきました。
今回はその5年分の実体験から、耐久性・使いやすさ・デメリットまでを正直にレビューしていきます。
目次
GIVI防水ドラムバッグ60Lを選んだ理由
雨に強い防水性と信頼のブランド
GIVI(ジビ)はイタリアの老舗バイクアクセサリーブランドで、40年以上の歴史を持つ信頼のメーカーです。
ハードケースで有名ですが、防水ソフトバッグの品質も非常に高いことで知られています。
購入当時は、バイクに積載できる防水ドラムバッグの種類が今ほど多くありませんでした。
防水バッグといえば、メッセンジャーバッグのような縦開きタイプ(容量30L前後)が主流で、ツーリングやキャンプ用途では小さすぎました。
その中で、バイクキャンプに使える60Lクラスの防水バッグはGIVI一択でした。
さらにGIVIはバイク用品専門ブランドということもあり、防水性能・価格・デザインのバランスに信頼が持てたのが決め手でした。
エストレヤでも積みやすい横幅サイズ
購入した「60Lタイプ」は横幅が約54cm。
以前使っていた軍払い下げのダッフルバッグ(約65cm)は左右にはみ出し、バランスが悪かったです。
そこで、防水でもっと横幅が短いドラムバッグを探していたところ、
GIVIはまさにバイク積載を前提に設計されたサイズ感で、理想にぴったりでした。
愛車エストレヤに載せた際も、サドルバッグを邪魔せずに安定して積める絶妙なサイズ感で、デザイン的にも非常にマッチしています。
GIVI防水ドラムバッグ60Lの特徴と使い勝手
取り付け・積載のしやすさ
バッグにはショルダーベルトと固定用ベルトが付属しています。
最初からツーリング用として設計されているので、積みやすさはかなり良好です。

ただし、付属のベルトだけでは走行中にやや緩みやすいため、バイク用のゴムロープを併用するのがおすすめです。
バイクシート後部に積むと、形が安定して倒れにくく、荷物の収まりも良好です。
自分はテントと小さいバックパックと合わせてゴムロープで括り付けています。

開閉構造と防水性能
開口部は横開きタイプで、中の荷物を取り出しやすい構造になっています。
キャンプ場で設営中や休憩時でも、バッグを全開にしなくても必要なものを取り出せるのが便利です。

閉めるときは防水バッグでは定番のロールトップ式。
3回ほど折り返してから固定ベルトで留めることで、完全防水に近い状態になります。

ベルトは左右がバックル式、中央がマジックテープ式で固定します。
慣れると数十秒で開閉でき、荷物の出し入れもスムーズです。

短時間の雨はもちろん、一晩中の雨でも中身が濡れたことは一度もありませんでした。
ツーリング中に突然の豪雨に遭っても、まったく問題なしです。
容量の実際と収納感
スペック上は「60L」ですが、実際に使える容量は50L前後という印象です。
ロール部分に折り返しが必要なため、その分だけ収納スペースが減ります。
寝袋・マット・調理道具などを入れると、ちょうどいっぱいになるくらい。
衣類はコンプレッションバッグで圧縮すると効率よく収納できます。
この手のバッグは満杯にすると取っ手が短くて持ちにくいことがありますが、
GIVIのバッグはその点もほどよく、持ち運びのストレスが少ない設計です。

ちなみにこの写真は3回巻きの状態です。
防水性を保ちつつ、容量とのバランスを取るのにちょうど良い折り返し回数でした。
使って感じたメリット
- 完全防水で雨の心配がない
- 生地が厚く、型崩れしにくい
- シンプルなデザインでどんなバイクにも合う
- フックやベルトの固定が安定している
見た目以上に実用性が高く、ツーリングとキャンプを両立できる防水バッグとして非常に満足度が高いです。
5年間使ってわかった耐久性と劣化ポイント
GIVI防水ドラムバッグ60Lは、5年間・年間だと平均20回以上のソロキャンプで使用してきたアイテムです。
結果として、総合的な耐久性は非常に高く、「長く使える防水バッグ」として信頼できるものでした。
生地の傷み・縫製のほつれ
防水生地は厚みがあり非常に丈夫で、長年使っても雨水が染み込むことはありませんでした。
ただし、経年によって表面のゴム系素材がやや硬化していく印象はあります。
とはいえ、開閉や収納のしやすさが損なわれるほどではなく、5年経っても実用上の支障はありません。
一方で、底面の角部分には穴があきました。
これは縫製不良ではなく、キャンプ場で岩やアスファルトの上に置いたときの擦れによる摩耗です。
また、防水生地特有のゴムっぽい質感のため、汚れや擦り傷が落ちにくいという弱点もあります。
長く使うほどに使用感が出やすく、汚れは「味」として受け入れるタイプのバッグかもしれません。
ベルト・固定具まわりの耐久性
ベルトやバックルの劣化はほとんどなし。
5年間使っても破損や緩み、留め具のゆるみなどは一切発生しませんでした。
GIVIのバッグはバイク用に設計されているだけあり、振動やテンションに強く、素材の耐摩耗性も高いと感じます。
他社製バッグではベルトの端がほつれたり、プラスチック部が割れたりすることもありますが、GIVIではそのようなトラブルはありませんでした。
ただし、自分の積載方法では、メインの固定に荷台用のゴムロープを併用しているため、バッグ付属のバックルやベルトには大きな負荷がかかっていなかった可能性もあります。
それを踏まえても、素材のしっかりしたつくりと耐久性は十分評価できると思います。
雨天走行・長距離ツーリングでの実績
5年間で何度も雨天走行や長距離ツーリングを経験しましたが、縫い目やロールトップの口から水が染みたことは一度もありません。
底面の角に穴が空いてからも、防水性能にはまったく影響がなく、5年経っても現役で使える防水性能を維持していました。
耐久性・防水性ともに非常に高く、「防水ドラムバッグ=GIVI」と言える安心感があります。
GIVI防水ドラムバッグ60Lのデメリットと注意点
実際は「60L」より少なく感じる
60Lという表記に惹かれて購入すると、実際の収納量はやや少なめに感じます。
とくに、焚き火台やテントを同時に収納したい人には少し物足りない容量です。
他メーカーの同サイズ(60Lクラス)と比べても、実寸がやや小さめに作られています。
体感としては、実質50L前後と思っておいたほうが現実的です。
自分の場合、荷物が多くなったときはロールトップを2回巻きにして使っています。
その分、雨が強い日は若干リスクがありますが、容量を少しだけ確保できる工夫です。
ただし、この使い方をすると中央のマジックテープが閉まらないのが難点。
左右のベルトは調整可能ですが、真ん中だけは固定式なので、詰め込みすぎると完全には閉じません。
頻繁に出し入れする荷物には不向き
防水ドラムバッグの構造上、メイン収納が1つしかないため、仕分けせずに荷物を入れると探すのが大変になります。
そのため、スタッフバッグなどでカテゴリごとに分けてパッキングするのがコツです。
また、完全防水を優先している分、外ポケットや仕切りが一切ないため、頻繁に出し入れする荷物(財布・カメラ・スマホなど)には不便です。
雨に強い構造ではありますが、利便性という点では一般的なツーリングバッグに劣ります。
自分はこの防水バッグにはキャンプ道具など濡らしたくない大物類を入れ、ポケット付きの小型バックパックを別に用意して貴重品や小物を収納していました。
その小型バッグをこのドラムバッグの上に積むようにして、バイク全体の積載バランスを取っています。
バイクツーリング用のシートバッグでは、完全防水ではない代わりにポケットやアクセスの良さを重視したものも多くあります。
防水性を取るか、使いやすさを取るか――トレードオフの選択が必要なタイプのバッグです。
改善点と使い方のコツ
- 中身の整理にはスタッフバッグを活用
- 雨の日はロールトップを3回以上巻いて確実に防水
- 詰め込みすぎると中央ベルトが閉まらないため注意
防水性を維持しつつ、収納効率を上げるには「荷物の入れ方」や「巻き方」を工夫するのがポイントです。
他ブランドとの比較
ヘンリービギンズなど類似製品との価格差
2024年には、ヘンリービギンズからGIVIとよく似たデザインの防水ドラムバッグが登場しました。
価格はGIVIより約3,000円安く、容量・形状もほぼ同じです。
どちらも「60L」表記ですが、ヘンリービギンズのほうが若干ゆとりのあるサイズ感に見えます。
写真で見る限り、デザインや構造は非常に近いため、見た目で選んでも大きな差はなさそうです。
今から買うならどう考えるか
当時はバイク用の防水ドラムバッグ自体が少なく、GIVIがほぼ唯一の選択肢でした。
その中で、5年間実際に使っても防水性・耐久性に不満がなかったのがGIVIを評価している理由です。
今はヘンリービギンズなど選択肢が増えたため、
「実績のあるGIVIを選ぶか、価格でヘンリービギンズを試すか」という選び方になると思います。
実際に両方を使い比べたわけではありませんが、自分の経験から言えるのは、GIVIは長期使用でも安心して使える防水バッグだということです。
GIVI防水ドラムバッグはどんな人におすすめ?
ロングツーリング派に向いている理由
長距離や連泊キャンプでは、突然の雨や砂埃から荷物を守る防水性が重要です。
一般的なツーリング用シートバッグはポケットが多く、サイズ調整もでき、レインカバー付きである程度の防水性はあります。
ただし、豪雨時にはカバーをかけたり外したりと、手間がかかる場面も多いのが現実です。
自分も何度か山間部の高速道路で、急な豪雨に遭遇したことがあります。
そのたびにGIVIの完全防水バッグにしておいて良かったと感じました。
「雨を気にせず走れる安心感」――これはロングツーリング派には大きなメリットです。
ソロキャンプでも使いやすいポイント
60Lという容量は、ソロキャンプの装備を一式まとめるのにちょうど良いサイズです。
自分の場合、普段使うキャンプ道具をこのバッグに常にまとめており、キャンプに行きたくなったらそのままリアに載せて出発できる状態にしています。
この「整理せずそのまま持って行ける」という手軽さは、自分のペースで動けるソロキャンプスタイルと相性抜群です。
GIVIを選ぶ価値は「信頼性」と「実績」
1万円前後という価格は、決して高くありません。
5年間使い続けても破損や水漏れがなかったという実体験からも、GIVIの防水性能と耐久性は十分信頼できるレベルです。
他ブランドとの価格差だけで判断するよりも、長く使える安心感を重視したい人にこそおすすめできる防水ドラムバッグです。
最後に:5年間使っても壊れなかったGIVI防水ドラムバッグ
GIVI防水ドラムバッグ60Lは、雨にも強く、長距離ツーリングでも安心して使える防水バッグです。
5年間、どんな天候でも問題なく使えたことが、このバッグの信頼性を物語っています。
自分自身のスタイルはこの5年で少し変わりました。
今ではより軽装で身軽に動けるキャンプスタイルを意識し、リアにドラムバッグを積むのではなく、バックパックを背負ってソロキャンプに出かけることが多くなりました。
それでも、やはり好きな道具を自由に持っていける「積載型キャンプ」の魅力は今でも感じています。
雨でも荷物を気にせず走れるGIVIの防水ドラムバッグは、そんな道具を楽しみたいライダーの心強い相棒です。







