軽バンを車中泊やキャンプ仕様にするなら、まずやっておきたいのが床張りです。
木材はすべて近くのホームセンターで購入して、その店の作業スペースレンタルで作業してきました。
この記事では、自分が実際にベニヤ板と板材を使って床張りをしたときの体験をもとに、材料・費用・作業手順・失敗談、そして4年経過した現在のレビューをまとめます。
軽バンの床張りDIYに必要な材料と費用
使用した板材とベニヤの種類
床材には1×6材のSPF材とベニヤ板を使用しました。
軽バン専用のフロアマットも市販されていますが、木の雰囲気を楽しみたいと思い、板張りに挑戦しました。
SPF材について
一般的にSPF材を床に使うのはあまり好まれません。
理由としては、
- 湿気や乾燥で反りが出やすい
- 時間が経つと板間に隙間ができる
- 柔らかく傷が付きやすい
といった点があります。
ただし、価格が安く入手が簡単であることから、気軽にDIYで使いたい人には向いています。
アメリカなどDIYが盛んな国では、デメリットを承知のうえで「味」として楽しむ床材としてSPF材を使う例もあります。
「何十年も保たせる床」ではなく、数年〜十数年で使えれば十分という前提ならコストメリットは大きいです。
実際にかかった金額と内訳
- 1×6 SPF材(9枚)… 約5,500円
- ベニヤ板(厚さ11.6mm × 2枚)… 約3,000円
- カット代 … 数百円
合計でおよそ9,000円ほど。
ホームセンターでの購入で、作業スペースは無料で利用できました。
他の床材(フロアパネル・クッションフロア)との比較
- フロアパネル … 専用品なのでフィット感が高いが価格はやや高め
- クッションフロア … 軽量で扱いやすいが、耐久性では木材に劣る
- 板材+ベニヤ … 手軽に入手でき、木の質感を楽しめるが湿気による反りがある
床張りDIYの手順と工程
木材のカットと準備(ホームセンター利用も含む)
購入後にホームセンターの作業スペースで木材をカットしました。
マンション住まいでも、こうした作業場を利用できるのはとても助かります。
カットには丸ノコやテーブルソーがあると便利ですが、ホームセンターではスタッフに依頼できるため初心者でも安心です。
サンダーがけで表面を整える
表面はサンダーをかけてツルツルに仕上げます。
手触りが良くなるだけでなく、車内での使用時にケガを防ぐ安全性も増すので、ひと手間ですが大切な工程です。
サンダーはランダムサンダーがあると効率的で、広い面積を短時間で仕上げられます。
ビスで固定する際の注意点
ベニヤの上に1×6材を並べてインパクトドライバーでビスを固定します。
ただし、ビス選びを誤ると割れや固定不足の原因になるため注意が必要です(詳細は「失敗から学んだポイント」で解説)。
ドリルで下穴を開けてからビスを打つと、割れ防止になります。
凸凹部分の処理とカット方法
軽バンの荷室は凸凹が多いため、ジグソーでカットしてフィットさせました。
ジグソーは細かいカーブや複雑な形状を切り抜くのに便利で、荷室の形状に合わせる作業では必須です。
ただし、ぴったり仕上げるよりもざっくりと作ってシンプルに収めるくらいの方が扱いやすいと感じました。
床がガタガタするので、ワンバイツー材を設置
実際に車中泊をしてみると、元の荷室が想像以上にでこぼこしていて、床が安定しないことに気づきました。
そこで1×2材を四本下に敷き、その上に土台を載せるように改良したところ、ぐっと安定感が増しました。
結果的に、車中泊や荷物の積み下ろしがしやすくなり、安心して使える床になりました。
今回よく使った工具
実際に床張りの作業で一番出番が多かったのはこの2つです。
インパクトドライバー … ビス留め作業には必須。下穴を開けてから打つと割れ防止になります。
サンダー … 表面を滑らかに仕上げるために使用。安全性や快適性を高めるための必須工具です。
ジグソー … 荷室の凸凹をカットしてフィットさせるのに便利。
失敗から学んだポイント
ビス選びの失敗と改善策
当初は家にあった短めのビス(3.8mm × 25mm)を使った結果、
- 板が割れてしまう
- 下地にしっかり固定されない箇所が出る
という問題が発生しました。
改善策としては、
- 細めで長いビスを選ぶ
- ドリルで下穴を開けてからインパクトドライバーで固定する
この2点がとても重要だと実感しました。
DIY初心者ほど「ビスなら何でもいい」と思いがちですが、仕上がりの安定感はビス選びで大きく変わります。
ベニヤ板の厚みと安定感の関係
軽量化を優先して厚さ11.6mmのベニヤ板を使いましたが、やや強度不足を感じました。
キャンプ道具や荷物を積むときに床がたわむ感覚があり、安定感はもう一歩という印象です。
もし作業をやり直すなら、もう少し厚めのベニヤ板(15mm前後)を選ぶのが良さそうです。
結果的に「軽さ」と「強度」のバランスは難しいですが、車中泊で長く使うなら強度重視の方が安心だと感じました。
実際に使ってみた感想と経過レビュー
この軽バンでは、ピーク時は半年で2万キロ、栃木から熊本まで旅をするように車中泊生活をしていました。
ちょうどコロナが落ち着き始めた頃で、長い時間をこの荷室で過ごしましたが、床の板張りと天井のデッドニングのおかげで快適に過ごせたと思います。
もちろん車中泊には自由が制限される面もあり、特に市街地で泊まる場所を探すのはストレスでした。
それでも、朝目覚めたときに絶景が目の前に広がる喜びは大きく、十分に車中泊生活を楽しめました。
軽バンの天井デッドニングDIYはこちらの記事で紹介しています。
車中泊やキャンプでの使用感
板張りにしたことで荷物が積みやすくなり、ラグを敷けば快適性が一気に向上しました。
元々の荷室と比べても掃除がしやすく、常に清潔に保ちやすいのもメリットです。
寝るときはマットを敷くのですが、フラットな床板の上にラグを重ねると過ごしやすさが大きく変わると感じました。
小さな違いですが、日々の使い勝手に直結するポイントです。
SPF材の仕上げについて
本来はオイルやワックスで仕上げると耐久性が増します。
作った当初はワトコオイルや蜜蝋ワックス仕上げを検討しましたが、結局そのまま無塗装の状態で4年が経過しました。
結果としては、実用上はまったく問題なく、むしろ自然な風合いを楽しめていると感じています。
使ってみて思ったのは、SPF材は柔らかいため傷が付きやすいが、無塗装の方が逆に傷が目立ちにくいということです。
追記:4年経った今の状態(反り・耐久性・改善点)
数年使ってみて、気にしていた反りや隙間は大きな問題にはなりませんでした。
厳密には経年変化があったのかもしれませんが、使っていて気になるレベルではなかったというのが正直な印象です。
ただし、ベニヤの薄さによる安定感の足りなさは感じました。
もし次に改良するとしたらベニヤ板を無しにして、格子の骨組み+カフェ板など分厚く強度がある床材を採用すると思います。
最後に:軽バンの床張りDIYで車中泊がもっと快適に
軽バンの床張りDIYをまとめ。
- 材料はホームセンターで揃い、費用は約9,000円
- 手順は「カット → サンダー → ビス留め → 凸凹処理」とシンプル
- 失敗から学んだのは「ビス選び」と「ベニヤの厚み」
- 4年経っても十分使えるが、改善点も見えてきた
自分の場合はこんな形で床張りをしてみましたが、思った以上にシンプルな作業でできました。
素人なりに試行錯誤しながらでしたが、結果的には車中泊やキャンプがかなり快適になったと思います。
これから軽バンの床張りに挑戦する方の参考になればうれしいです。