メスティンは、ソロキャンプや登山で定番のアルミ製クッカーです。
ご飯を炊く「メスティン炊飯」はもちろん、パスタや蒸し料理までこなせる万能さも人気の理由です。
この記事でまとめるのは、メスティンの炊き方の基本と、完全放置でOKの自動炊飯のやり方。
そして、ソロキャンプ10年でたどり着いた、メスティン1つに収まる炊飯セットの中身です。
ガスバーナーや固形燃料も試した上で行き着いた、無駄のないスタイルです。
目次
メスティン炊飯の基本

メスティン炊飯で一番大事なのは、水の量より浸水時間です。
正直、ここさえ守れば、よほど火が弱くない限り芯が残ることはありません。
浸水時間の目安は30分〜1時間。
省略すると芯が残ったりパサついた仕上がりになりやすいので、時間に余裕があるうちに済ませておくと安心です。
水の量の目安は、米1合に対して水200ml。
キャンプに計量カップを持っていく人は少ないと思うので、メモリ付きのシェラカップがあれば、それで代用できます。
自分は普段、指を入れて第一関節あたりまで水を入れる、という感覚で合わせています。
炊き方の選び方|自動炊飯にたどり着くまで

なぜ自動炊飯なのか(ガスバーナーがダメな理由)
自分も最初はガスバーナーで炊飯をしていましたが、キャンプの調理は何かと忙しく、効率よく動くには自動化が必要だと感じるようになりました。
ガスバーナーは火加減を自分で見ておく必要があり、他の料理も同時に進めていることが多いソロキャンプでは、そこに意識を割かれるのが負担でした。
炊き上がってすぐに食べないと、メスティンの中でご飯が冷めて器にくっついてしまう点も気になっていました。
炊飯からは完全に意識を外して、他の作業に集中できる方が、ソロキャンプでは効率的です。
固形燃料じゃなくアルコールストーブを選んだ理由
自動炊飯と考えて調べて出てきたのが、エスビットのポケットストーブを使った固形燃料の炊飯です。
これはポケットに入るくらい小さいストーブで、一見良さそうに見えましたが、使ってみると意外と弱点が多かったです。
1つは、エスビットの固形燃料が高価なこと。
2つ目は、安価な他の燃料だと長期保存が難しかったこと。
ポケットストーブはキャンプで毎回使うものという商品ではなく、緊急の燃料で登山などでバックパックに忍ばせておくものといった感じで、今回の意図とは合っていませんでした。
その点アルコールストーブは、燃料の量で火力や燃焼時間を調整でき、燃料用アルコールは500mlで約400円前後とコストも抑えられます。
一回の炊飯で約30mlほど使用するため、1回あたり約25円(執筆当時)と非常に経済的です。
毎回使う道具として、自分にはこちらの方が合っていました。
エスビットポケットストーブとアルコールストーブを使い比べて分かった違い
10年続けているアルコールストーブでの自動炊飯のやり方

ソロキャンプの食事は、メイン料理の火加減や焚き火の管理で意外と忙しくなります。
だからこそ、この10年ずっとアルコールストーブでの自動炊飯を続けています。
手順はいたってシンプルです。
- 米1合を30分〜1時間浸水させる
- アルコールバーナーに燃料30mlを入れて着火
- メスティンの上に重りを乗せて、火が消えるまで約15分放置
- 火が消えたら10分ほど蒸らして完成
ようするに、セットして火をつけたら、あとは放置でOKということです。
その間に他の料理を進められるので、炊飯のことは完全に意識から外せます。
蒸らしのタイミングでひっくり返しておくと水分が全体にまわり、よりふっくらしますが、気づいたらやるぐらいでいいです。
失敗しやすいポイントと対処
芯が残る/生炊けになる
原因のほとんどは浸水不足です。
浸水時間をしっかり確保すれば、まず起こりません。
数時間つけるのはNGですが、きっちり時間を計って浸水させるというよりは、早めに準備するぐらいの感覚でOKです。
蓋が浮いてうまく炊けない
重りを乗せずに炊くと、蒸気で蓋が浮いてしまいます。
必ず重りを乗せてから火にかけてください。
キャンプでは適当な重りがないため、自分はいつも薪を一本蓋の上に置いています。
部分的に焦げる
バーナーの炎が強く当たる部分が焦げるのは、放置調理である以上ある程度避けられません。
ただアルコールストーブだとお焦げができるほどにはならないため、焦げた場合は、次回から燃料の量を少し減らしてみると軽減できます。
炊飯セットの中身|ケース1つに収まる収納術

これが、今のところの完成形です。
自動炊飯のために揃えた道具は、この3つ。
- Esbit(エスビット) アルコールバーナー
- OUT-D アルコールバーナー五徳
- 燃料用ボトル(ナルゲン60ml×2本)
これが全部、メスティン1つのケースに収まります。
メスティンのフタもしっかり閉まるので携帯性は抜群です。
Esbit(エスビット) アルコールバーナー

Esbit(エスビット) アルコールバーナーは、自動炊飯で使いやすいポイントがいくつかあります。
- メスティンに収まる大きさ
- 蓋を閉めれば液漏れしない
- 消火蓋で火を消せる
デザインだけならエバニューのバーナーも好みですが、消火蓋がないため自分はエスビットを選びました。

メスティンにぴったり収まり、さらに燃料を入れたナルゲン60mlボトルが2本入ります。
炊飯1回につき使うのは約30ml、ボトル半分ほどです。
2本あれば4回分はまかなえるので、連泊でもある程度対応できます。

注意点として、このナルゲンボトルは本来スパイスや調味料用で、アルコール燃料を入れるのは想定されていません。
自分も一時的な携帯では問題ありませんでしたが、長期間入れっぱなしにすると容器が少し凹んだり変形した経験があります。
ただ、自分はそのうち金属製のボトルに替えようと思いながらも、いまだにこのナルゲンボトルを使っています。

バーナー本体は、蓋を閉めれば逆さにして振っても液漏れはしません。
燃料は基本ボトルに入れて持ち運びますが、バーナー本体に入れっぱなしにしても安心感があります。

持ち手つきの蓋で、火を安全に消せます。
銀のプレートをスライドさせれば、火力調整も可能です。
収納性・液漏れ防止・消火蓋の安心感を兼ね備えたエスビットは、アルコールバーナーの中でも使いやすい一台です。
OUT-D アルコールバーナー五徳

アルコールバーナーで炊飯するときには五徳が必要です。
OUT-Dの五徳は風防を兼ねていて、メスティンに入れて持ち運べるサイズなのでとても便利です。
正直なところブランド的にはあまり知られていない中国製で、作りは「価格なり」な部分もあります。
もっと質の良い製品は探せばあると思いますが、このサイズ感と収納性が他に代えがたく、結局今でも使い続けています。
付属品は本体・固形燃料用の丸皿・専用ケースの3点です。

- 本体
- 固形燃料用の丸皿
- 専用ケース
普段は本体のみをメスティンに収納して持ち運んでいます。

組み立てはツメを引っ掛けて固定するだけです。
バーナーをセットしたときはキツめですが、その分しっかり固定されるので、五徳ごと持ち上げてもバーナーがズレません。
ちなみに、この五徳は畳んだときにピッタリと閉じません。
作りの精度の問題ですが、それでもメスティンには収まります。
質感に高級感はありませんが、アルコールバーナーと一緒にメスティンへ収まるサイズ感こそ、この五徳の最大の魅力です。
ちなみに、五徳は深型のシェラカップでも代用はできます。

ただしシェラカップの深さが足りないと火が消えやすく、

空気の通りを作るため少しズラしてメスティンを乗せるなどの工夫が必要でした。
メスティンの簡単レシピ
自動炊飯以外にも、メスティンは普通のクッカーとして、パスタなどちょっとした調理にも使えます。
水漬けパスタ

茹で時間の長いパスタも、事前に仕込んでおけば3分で完成します。
自分のソロキャンプの昼ごはんの定番で、家でジップロックに乾麺と水を入れ、移動時間の1〜3時間ほど浸けておくだけです。
炊き込みご飯

「サバ缶 + 醤油 + 生姜チューブ」の炊き込みご飯や、「さつまいも + 塩」で作れるさつまいもご飯など。
キャンプ向きの調味料の少ない、手間をかない簡単な炊き込みご飯もおすすめです。
フタを使った焼き物

フタをフライパン代わりにすれば、ソーセージや目玉焼きも焼けます。
自分はキャンプにフライパンを必ず持っていくので出番は少ないですが、登山など軽量装備で行くときには便利な方法です。
蒸し料理

専用網があれば、シュウマイなども蒸せます。
キャンプの途中でスーパーに寄ることが多いので、チルドの肉まんなどは気軽に調理できておすすめです。
この網も、今回紹介した炊飯一式に入れることができるので、自分も普段からメスティンには入れて持ち運んでいます。
メスティンを使う前の下準備
バリ取り

メスティンはシンプルで無骨な作りなので、フチが少しバリがあるまま出荷されています。
そのまま使うと指を切る恐れもあるため、紙ヤスリや金属用ヤスリで滑らかに削っておきましょう。
安い紙ヤスリは破れて怪我をする可能性があるので、ホームセンターで売っている木工用ヤスリや金属用ヤスリを使うのがおすすめです。
自分は400番の木工用ヤスリでゴリゴリと削って仕上げました。
シーズニングは必要か

購入したら米のとぎ汁を入れて15〜30分ほど沸騰させる「シーズニング」を行います。
これはアルミの黒ずみや変色を防ぎ、金属臭を抑える効果があります。
新品のメスティンはアルミの酸化被膜が安定していないため、炊いたご飯に金属臭を感じることがあると言われています。
黒ずんだ場合は、りんごの皮や芯を入れて10〜15分ほど煮れば軽減できます。
完全に新品のようには戻りませんが、見た目や匂いが気にならない程度にはなるので実用的です。
自分はメスティンを買ってからしばらく、シーズニングもバリ取りもせずに使っていました。
最初はインスタントラーメンなど匂いの強いものを作っていたこともあり、金属臭はほとんど気になりませんでした。
その後に一度シーズニングを試しましたが、キャンプでは焚き火で使うのですぐに煤で黒くなり、洗うときも金たわしでガシガシ洗うなど、かなり荒っぽい使い方をしています。
結果としてシーズニングの皮膜はすぐに剥がれ、キズも増えましたが、気にせず使っています。
結論としては、バリ取りは安全のためにやった方が安心。
シーズニングは、購入したばかりで金属臭が気になる人や、綺麗に長く使いたい人向けで、必須ではありません。
最後に:意外と忙しいキャンプ飯づくりには自動炊飯がおすすめ
キャンプ飯は、メイン料理の火加減や焚き火の管理で、思っている以上に忙しくなります。
その中で自動炊飯は、最初にセットしてしまえばあとは放置で炊きあがるのが一番の魅力です。
無骨で少し味気ないメスティンも自作のハンドルカバーなどをつけると愛着が湧きます。

家に余っていた革でちょっとしたカスタムですが、キャンプギアはこういった作業も楽しいです。












