メスティンはソロキャンプや登山で人気のアルミ製クッカーで、ご飯を炊くだけでなく蒸し料理や簡単な煮込みにも使える万能ギアです。
この記事では、自動炊飯のためのメスティンの使い方から、自分が実際に使い込んできたカスタムや収納セットまでをまとめます。
自動炊飯とは、ガスバーナーや焚き火のように火加減を気にせず、固形燃料やアルコールストーブをセットして放置するだけでご飯が炊きあがる方法のこと。
長年ソロキャンプを続けてきた中で、自分が最終的に落ち着いたスタイルを紹介します。
目次
メスティンの基本的な使い方
メスティンを買った後にまずやるのが「バリ取り」と「シーズニング」です。
購入直後に少し手を加えることで、怪我の防止や使い心地の改善につながります。
メスティンのバリ取り
メスティンはシンプルで無骨な作りなので、フチが少し鋭いまま出荷されています。
そのまま使うと口や指を切る恐れがあるため、紙ヤスリや金属用ヤスリで滑らかに削っておきましょう。
安い紙ヤスリは破れて怪我をする可能性があるので、ホームセンターで売っている木工用ヤスリや金属用ヤスリを使うのがおすすめです。
自分は400番の木工用ヤスリでゴリゴリと削って仕上げました。
使う前にシーズニング
購入したら米のとぎ汁を入れて15〜30分ほど沸騰させる「シーズニング」を行います。
これはアルミの黒ずみや変色を防ぎ、金属臭を抑える効果があります。
新品のメスティンはアルミの酸化被膜が安定していないため、炊いたご飯に金属臭を感じることがあると言われています。
これは一般的なアルミ鍋でも同じで、最初にとぎ汁で煮ておくことで臭いがやわらぎ、安心して使えるようになります。
メスティンが黒ずんだときは?
アルミは水や食材の成分と反応して黒ずみが出ることがあります。
その場合はりんごの皮や芯を入れて10〜15分ほど煮れば改善できます。
完全に新品のようには戻りませんが、見た目や匂いが気にならない程度に軽減できるので実用的です。
シーズニングやバリ取りは必要?
自分はメスティンを買ってからしばらくシーズニングもバリ取りもせずに使っていました。
最初はインスタントラーメンなど匂いの強いものを作っていたこともあり、金属臭はほとんど気になりませんでした。
その後に一度シーズニングを試しましたが、ソロキャンプでは焚き火に突っ込んでススで真っ黒になったり、洗うときは金たわしでガシガシ洗ったりと、かなり荒っぽい使い方をしています。
結果としてシーズニングは一度きりで、皮膜は剥がれてもアルミが削れてキズが増えても気にせず使ってきました。
結論としては、バリ取りは安全のためにやった方が安心。
シーズニングは「金属臭が気になる人」や「綺麗に長く使いたい人」向けで、必須ではありません。
自動炊飯のやり方
初めてメスティンでご飯を炊くと、生炊けで芯が残ってしまい「ネットで見た通りやったのになぜ?」と感じる人が多いです。
失敗の原因はシンプルで、水に浸ける時間が足りないことがほとんどです。
炊飯前には必ず30分〜1時間ほど米を水に浸けてください。これを怠ると芯が残ったり、パサついた炊きあがりになります。
メスティン自動炊飯の基本手順
- メスティンに米を一合入れて水に30分〜1時間浸ける
- アルコールバーナーに燃料30mlを入れて火をつける
- メスティンの上に重りをのせて約15分放置(火が消えるまで待つ)
- 10分蒸らす(手間でなければひっくり返すと均一に仕上がる)
「炊飯中に重りを乗せない」と蓋が浮いて失敗するので注意してください。
おこげはできにくいですが、バーナーの炎が強く当たる部分には軽く焦げ目がつくこともあります。
メスティンでご飯以外の調理
メスティンはご飯炊きだけでなく、パスタやポトフなどの汁物もこなせる万能クッカーです。
炒め物は焦げやすいので向きませんが、フタをフライパン代わりにすれば簡単な焼き物もできます。
また、600円ほどの専用網を入れれば蒸し料理も可能です。焼売や肉まんなど、キャンプではあまり出番が少ないかもしれませんが、あるとレパートリーが広がります。
ポケットストーブ(固形燃料) vs アルコールバーナー
メスティン炊飯では「固形燃料+ポケットストーブ」か「アルコールバーナー」が定番です。
自分も最初は固形燃料を使っていましたが、火力や持続時間を調整できないこと、燃料コストが高いことに不満がありました。
例えばサバ缶と一緒に炊き込む時など、固形燃料では時間が足りず芯が残ることもありました。
その点、アルコールバーナーは火力や燃料量を調整でき、燃料代も安いため現在はこちらをメインに使っています。ソロキャンプの頻度が高い人には特におすすめです。
ポケットストーブとアルコールバーナーの詳しい比較はこちらの記事で紹介しています
結論としては、失敗を避けるためには「浸水時間をしっかり取る」ことが最重要。
道具選びは人それぞれですが、自分はコストと安定性からアルコールバーナーを選んでいます。
自動炊飯の道具紹介
Esbit(エスビット) アルコールバーナー
Esbit(エスビット) アルコールバーナーは、自動炊飯で使いやすいポイントがいくつかあります。
- メスティンに収まる大きさ
- 蓋を閉めれば液漏れしない
- 消火蓋で火を消せる
デザインだけならエバニューのバーナーも好みですが、消火蓋が無いため自分はエスビットを選びました。
燃料もアルコールバーナーもメスティンに収まる
メスティンにぴったり収まり、さらに燃料を入れたナルゲン60mlボトルが2本入ります。
炊飯一回につき30mlが目安で、ナルゲンボトルの半分を使います。
注意点として、本来このナルゲンボトルはスパイスや調味料用で、アルコール燃料を入れるのは想定されていません。
自分も一時的な携帯では問題ありませんでしたが、長期間入れっぱなしにすると容器が少し凹んだり変形した経験があります。
でも、そのうち金属製などのボトルを探そうと思いながらも、未だにこのナルゲンボトルを使っています。
蓋を閉めれば液漏れしない
蓋を閉めれば逆さにして振っても液漏れはしません。燃料は基本ボトルに入れて持ち運びますが、入れっぱなしにしても安心感があります。
消火蓋がついている
持ち手つきの蓋で火を安全に消せます。銀のプレートをスライドさせれば火力調整も可能です。
アルコールバーナーを選ぶなら、収納性・液漏れ防止・消火蓋の安心感を兼ね備えたエスビットは使いやすい一台です。
OUT-D アルコールバーナー五徳
アルコールバーナーで炊飯するときには五徳が必要です。
OUT-Dの五徳は風防を兼ねており、メスティンに入れて持ち運べるサイズなのでとても便利です。
正直なところブランド的にはあまり知られていない中国製で、作りは「価格なり」な部分もあります。もっと質の良い製品は探せばあると思いますが、このサイズ感と収納性が他に代えがたく、結局今でも使い続けています。
ちなみに、深型のシェラカップでも代用はできます。
ただし、高さが足りないと火が消えやすかったり、空気の通りを作るため少しズラしてメスティンを乗せるなど工夫が必要でした。
OUT-D アルコールバーナー五徳の付属品
- 本体
- 固形燃料用の丸皿
- 専用ケース
丸皿を使えば固形燃料用です。
アルコールバーナーのときは、単純に囲んで使うだけです。
組み立ては引っ掛けて固定する部分がキツめですが、その分しっかり固定されるので持ち上げてもズレません。
メスティンに収まるサイズ感
ケースごとでも、裸のままでもメスティンに収められます。フタもしっかり閉まるので携帯性は抜群です。
ちなみに、この五徳は畳んだときにピッタリと閉じません、ちょっと浮く感じといいますか。
ただ、それでもメスティンには収まります。
質感に高級感はありませんが、アルコールバーナーと一緒にメスティンへ収まるサイズ感こそ、この五徳の最大の魅力です。
メスティンの自作ハンドルカバー
メスティンはそのままでも十分使えますが、少し味気ないと感じたのでハンドルカバーを自作しました。
革の手触りが好きだったこともあり、家に余っていたレザーを使って作成。
こうした小さなカスタムでも、自分で手を加えることでギアに愛着が湧き、使う楽しさが増していきます。
最後に:意外と忙しいキャンプ飯にはメスティンの自動炊飯がおすすめ
ソロキャンプの食事は、メイン料理の火加減や焚き火の管理などで意外と忙しくなります。
その中でメスティンの自動炊飯は、最初にセットしてしまえばあとは放置で炊きあがるのが大きな魅力です。
自分は保温のときにひっくり返すこともありますが、基本的にはそのままでも問題なく炊けます。
また、燃料も60mlボトルを2本入れておけば4回分まかなえるので、このメスティンに収まるセットだけでも連泊などある程度対応ができます。
収納性と使い勝手の両方を満たすこのセットは、ソロキャンプをより快適にしてくれる自分のお気に入りのスタイルです。